新橋すぐの整形外科 心療内科 精神科。福山整形外科・メンタルクリニックでは、心療内科・精神科を新設。

うつ、うつ病

「なんとなく気分が晴れない」、「どんよりとした曇りの状態」、「いまいち、やる気が出ない」、「テレビがおもしろくない」「朝、新聞を読む気がしない」
こうした「気分の落ち込み」は、誰もが一度や二度は経験したことがあると思います。しかし、このような状態が回復せずに数週間もずっと続いているとき、あなた自身の気持の中、またはあなたの大切な人の言葉や行動中に、「疲れた」「つまらない」「ダメだ…」「億劫だ」というようなキーワードやサインが多く発せられるようになったとき、そこにはうつ病が潜んでいる可能性があります。

うつ、うつ病とは、抑うつ気分や興味・喜びの喪失などを中心に以下のような症状を伴う疾患です。

うつ病の症状

・抑うつ気分
・興味、喜びの減退
・疲労感
・無気力 ( 午前中に強い )
・無感動
・悲哀感
・不安感
・焦燥感
・自己の過小評価

単に気分が落ち込むだけではなく、ひどくなると仕事や家事、勉強、人との交際など日常生活に大きな支障をきたすようになります。またときには、そのつらさのために、いっそ消えてしまいたいと思うほど追いつめられることもあります。

うつ病の症状は体にも影響を与えます。体の症状の方が先に出てくることも多くあります。例えば、不眠症や睡眠障害、食欲低下または過食、胃炎や胃潰瘍、月経不順、頻尿、性欲減退、頭痛、めまい、動悸、口の渇き、吐き気、体の冷え、肩こり、腰痛など様々です。体の不調を感じて検査を受けても何も異常がない場合は、うつ病の可能性も考えられます。うつ状態を長引かせず、早期に受診することが必要です。

うつ病は起きる仕組みや原因がはっきり解明されておらず、まだまだ分からないことの多い病気です。もともとの真面目で責任感の強い性格やストレス、環境の変化などさまざまな要因が重なって発病するといわれています。また脳内で作られている神経伝達物質というものが体の運動や感覚、または喜びや悲しみなどを感じるという脳の働きを支えているのですが、うつ病ではその物質の調子が乱れているとも考えられており、現在では「脳の病気」という意味では、脳の神経伝達物質のうち気分や思考、意欲などを担当するノルアドレナリンあるいはセロトニンの不足が原因であると推定されています。

うつ病は非常に多い疾患で、何らかの形で15%程度の方にかかる可能性があります。米国では女性の 4 人に1人が生涯のうちにこの病気になると報告されています。きちんとした治療を受けていれば良いのですが、問題としてはうつ病の方の半数以上が治療を受けていない、つまり病院を受診する方よりはるかに多くの患者様が潜在的に存在するという現実があげられます。本人は気づかずに何年も「うつ状態」で過ごしてしまっている場合も多々あります。


うつ病の治療

うつ病の原因が職場や家庭環境にあることもしばしばです。その場合は環境の調整が重要となります。診察では、外部環境の認識の仕方で感情や気分、人間関係をコントロールするお手伝いをいたします。うつ病の精神療法、というと何か特別なことをするような気がしますが、そうではありません。基本的には、医師とよく話し合うことです。また心と身体をゆっくり休めて疲れを癒すことも一番の治療であると言えます。 また、お薬の服用も大きな治療の柱となり、減少している神経伝達物質の量を正常に近い状態に戻します。

うつ病を本人や周囲が認識・理解し、きちんと治療をすることが何よりも大切です。病気に対して世間の理解はまだ十分とはいえず、決して「こころの弱さ」が原因で起こるものではなく、「がんばればなんとかなる」ものでもありません。周りの目を気にすることでストレスが余計にたまることも考えられます。家族はもちろん、職場の同僚や友人などにはできるだけ病気であることを話し、治療に向けての協力を得るようにした方が治療の面でもスムーズです。必要であれば、思い切って仕事・家事や学校を休み、「なにもしないこと」に専念するのもひとつです。専門家による治療によって、時に良くなったり悪くなったりを繰り返して一進一退で時間がかかることもあるのですが、徐々に治っていきます。無理せず、あせらず、気長に治療に取り組み、いつか必ず治るという気持ちで回復を待ちましょう。

家族の方に気をつけてほしいこと

病気であることを理解する
家の中で無気力に何もしないでいても、怠けているわけではありません。うつ病は病気であり、「本人が一番つらい」ということを理解してあげてください。

休養できるよう、協力する
うつ病は、心身ともに休養することが最も大切な病気です。ご家族で協力して、ゆっくり休めるような環境を作ってあげてください。

励ましたり叱ったりしない
本人は「がんばりたいのにがんばれない」状態で苦しんでいます。「しっかりして」「がんばって」という言葉は、かえって追い詰めてしまうことになります。
弱音を吐いたり悩みを打ち明けたりしたら話をじっと聞いてあげてください。ご家族が話を聞いてくれるだけで安心するものです。

「大切な決断」は治ってから
うつ病の患者さんは、思考力や判断力が低下していますので、「本来なら、こんな決断をするはずじゃなかった」など、あとで悔いの残る誤った判断をしてしまいがちです。退職、離婚などの大切な決断は病気が治ってから行うよう、言ってあげてください。

自殺願望は病気の症状のひとつです
「死にたい」と思うことがあるのは、病気の症状のひとつです。特に、治りかけの時期は自殺を実行してしまうこともあり注意が必要です。
家族の方は「この人は自殺は考えるような人ではない」と自殺をほのめかす言葉を認めたがらないことがありますが、危険性は過小評価しないことが大事です。
また、「何でそんなことをいうの」と責めるのは禁物です。自殺を考えた理由を尋ねるのも良くありません。むしろ、そのような辛い思いをしながら耐えてきたことをいたわってあげる態度が必要です。そして、「病気だからそう思うんだよ」と言って、気持ちを治療に向けてあげてください。
できるだけ一人にせず、また、気持ちの面で孤独を感じさせないように十分注意します。何か普段と違う様子に気づいたら、すぐに主治医に連絡してください。必要ならば、入院治療を行うことも自殺を防ぐ上で有効な手段のひとつです。

焦らないで気長に
患者様と同様、ご家族も、うつ病を正しく理解し、治療をサポートしてあげてください。うつ病の回復には一進一退があります。症状が再発しても、治ることを信じて、決して焦らないようにしましょう。

職場の方に気をつけてほしいこと

段階的に復帰できるよう配慮してください
患者さんは、「休んで迷惑をかけた」と自責の念を感じ、遅れを取り戻そうと焦っていることがあります。ゆっくり復帰していけるよう、仕事の内容などに配慮してあげてください。締め切りやノルマを気にせず、自分のペースでできる仕事から始めて、段階的に仕事を増やすのがベストです。
治療が継続できるよう協力してください。仕事を続けながら通院できるよう、遅刻、早退などができる環境を作ってあげてください。

fukuyama-mental1.jpg “悲しむ老人”
フィンセント・ファン・ゴッホ 1890年
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